バランスの難しさと歩行の重要性|新長田駅 齋藤接骨院

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「何事もバランスが大事」とよく言われます。シンプルな言葉ですが、実際にはとても奥が深く、難しいものです。
簡単にバランスの問題と一言で片づけることができません。食べすぎも良くないし、全く食べないのも良くない。働きすぎもダメですが、何もしなさすぎもまた不調を招きます。これは免疫、運動、睡眠、仕事、対人関係など、人生のあらゆる場面に共通する真理です。

体も同じで、常に外部環境と内部環境のバランスをとりながら働いています。しかし、日常の習慣や外傷の積み重ねで少しのズレが生まれると、
それが倦怠感・頭痛・めまい・腰痛・肩こりといった不調へとつながります。
つまり、違和感や痛みは「複雑な要素の中でバランスが崩れているサイン」だと考えるべきなのです。

多くの方は、症状が出ると薬で抑えることを選びます。もちろん薬は大切で、急な症状を緩和するサポートには欠かせません。
ただし、それはあくまで“対症療法”であり、根本的な解決にはなりません。
本当の治療は生活習慣の積み重ねによって、自分自身の体が持つ「自己治癒力」を引き出すことなのです。

骨盤と背骨がつくる人体最大のバランス


特に重要なのが「骨盤」と「背骨」です。頭は約5kgもの重さがあり、下顎や背骨、骨盤を使ってその重さを支えています。顎は重錘のように働き、重力を感知していますが、それ以上に大きな役割を担っているのが骨盤、特に仙腸関節です。その上に積み重なる背骨とともに、体全体のバランスを調整しています。

人間は直立二足歩行を獲得したことで、骨盤と背骨を中心とした「動的な安定性」を必要とする生き物になりました。二点で立つため、常に自転車のように揺らぎながらバランスをとっているのです。そして、そのバランスを自ら調整できる最も自然な方法が「歩行」です。
歩くことで骨盤や背骨が微細に動き、ズレた位置を正しい場所へ戻しているのです。

歩行不足が招く不調

しかし現代社会では、交通機関やデスクワークの普及により、歩く機会が著しく減っています。その結果、骨盤や背骨の自然な調整機能が働かなくなり、バランスを崩したまま生活する人が増えています。これが腰痛や肩こり、慢性的な疲労感、頭痛といった不調の大きな原因です。

特にギックリ腰などの急性症状は「体が限界を迎えたサイン」と言えます。ところが多くの方は、忙しさのあまりそのサインを無視し、薬で抑えてしまいます。その場は何とかしのげても、根本のバランスは崩れたまま。だから症状が繰り返され、なかなか治らないのです。

根本改善には「歩くこと」

バランスの乱れを改善するには施術も有効ですが、それだけでは不十分です。根本的な安定を得るためには、やはり日々の生活習慣を見直すことが必要になります。特に大切なのが「歩行」です。

歩行は単なる運動ではなく、人間が本来持っている「自己調整の仕組み」を活性化させる行為です。骨盤と背骨を安定させ、全身のバランスを整えてくれます。まさに最もシンプルで、最も効果的な根本治療といえるでしょう。

「千里の道も一歩から」という言葉があるように、健康も一歩から始まります。違和感や痛みを感じたときこそ、薬に頼るだけでなく、自分の体と向き合い、歩く習慣を取り戻してみてください。それが未来の自分を守る第一歩になります。

もし「違和感や痛みを自分の力でなんとかしたい」「薬に頼らず体を整えたい」と思われる方は、ぜひ当院にご相談ください。
一緒に歩みを整え、体のバランスを取り戻していきましょう。