手首の痛みや腱鞘炎は、家事や育児、デスクワークなど、日常のあらゆる動作で起こりやすいトラブルです。
特に手首は使用頻度が高く、一度痛めると治りにくい部位でもあります。
「抱っこするたびに痛い」「ペットボトルのフタが開けられない」──そんな悩みを抱える方は少なくありません。
しかしこの痛み、単なる使いすぎだけが原因ではないのをご存じでしょうか。
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■ 人の体は上皿天秤のようにバランスを取っている
人間の体は、全身でバランスを取りながら動いています。
腕はまるで“上皿天秤”のように左右で釣り合いを保ち、どちらかの使い方が偏ると、反対側にも影響が及びます。
右手をよく使う人は、左の肩や背中に負担が出たり、姿勢が傾いたりする──このような「全体の連動」が人の体には常に働いています。
そして、この全身のバランスを支えているのが**テンセグリティー構造(Tensegrity)**です。
テンセグリティーとは、「引っ張り(Tension)」と「圧縮(Compression)」の力が釣り合うことで形を保つ構造のこと。
人の体でいえば、骨が圧縮材として体を支え、筋肉・腱・靭帯・筋膜が引っ張り材として全身をつないでいます。
この「引っ張りと圧縮のバランス」が崩れると、どこか一部に無理な力が集中し、痛みや歪みとして現れるのです。
つまり、手首の痛みは手首単体の問題ではなく、首・背骨・骨盤など体の中心の歪みが原因で起こることが多いのです。
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■ 当院が考える手首トラブルの根本原因
当院では、手首の痛みを「体全体の使い方の問題」と捉えています。
首の歪みが肩甲骨や鎖骨、肘、手首の動きにまで影響し、結果的に一部分の筋肉や靭帯に負担を集中させてしまう。
それが痛みや炎症の原因になると考えています。
そのため、当院の施術では痛みのある手首だけをケアするのではなく、
特殊な療養器具や専用ベッドを使用して骨盤や脊柱の整復を行い、全身のバランスを整えることを重視しています。
整復といっても「バキバキ」鳴らすような施術ではなく、やさしい刺激で体の自然治癒力を引き出すもの。
お子さまからご高齢の方まで安心して受けていただけます。
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■ 産後の方に多い手首の痛み
特に産後の女性に多い手首のトラブルは、「リラキシン」というホルモンが関係しています。
リラキシンは出産のために骨盤周りの靭帯をゆるめる働きを持ちますが、産後もしばらくその作用が残り、全身の関節が不安定な状態になります。
その中で抱っこや授乳などの動作を繰り返すと、腕や手首の小さな筋肉に負担が集中してしまいます。
さらに、授乳やあやす姿勢で背中を丸めていると、肩甲骨がうまく動かず、腕だけで支えるような使い方になります。
その結果、腕から手首へと負担が集まり、痛みが強く出ることになります。
昔ながらの「さらし(晒)」は、骨盤を支え体幹を安定させるのに非常に効果的です。
骨盤が安定することで、上半身の動きもスムーズになり、手首の負担が軽減します。
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■ 手首は毎日使うからこそ早めの対応を
手首の痛みは放置しても自然に治ることは少なく、使うたびに負担が積み重なります。
だからこそ、早めの処置とその後のセルフケアがとても大切です。
炎症がある場合は氷水でのアイシングを行い、痛みが落ち着いたら歩行や軽い運動で全身の循環を整えていきましょう。
体はテンセグリティー構造でつながっているため、どこか一部を整えるだけでも全身に良い影響を及ぼします。
逆に、一箇所の歪みを放置すれば他の部位へと負担が連鎖していきます。
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兵庫県神戸市長田区神楽町やJR神戸線・地下鉄新長田駅周辺で
手首の痛み・腱鞘炎・産後の不調・肩や肘の違和感などでお悩みの方は、
ぜひ一度ご相談ください。