膝の水は抜いてはいけない──“熱破壊”が引き起こす関節変形の真実
「膝に水が溜まっているから抜きましょう」
そう言われた経験はありませんか?
膝の水を抜くと、その場ではすっきりして楽になります。
しかし実は、それは“結果”に対しての対処であり、**根本の原因である「熱の存在」**を放置している状態なのです。
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水が溜まるのは「熱がある」サイン
膝に水が溜まるというのは、膝の中に炎症=熱がこもっている状態です。
体はこの熱を下げようと、防御反応として関節液を増やし、冷やそうとします。
つまり、「膝の水」は悪者ではなく、体を守るための自然な反応なのです。
それを知らずに水を抜くということは、体が一生懸命に行っている“冷却作業”を外から止めてしまう行為です。
炎症の根本が残っている状態で動き続ければ、再び熱が発生し、水が溜まる——この悪循環を繰り返すことになります。
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熱が抜けずに内在すると「骨が変わる」
ここで重要なのは、熱を放置したまま使い続けることの危険性です。
膝関節内の炎症が続くと、関節の中に“慢性的な熱”がこもった状態になります。
この熱は時間とともに周囲の組織を変化させ、やがて軟骨や骨そのものを変性(変質)させていきます。
つまり、
熱 → 炎症 → 組織の破壊 → 骨の変性 → 変形性関節症
という流れです。
この「熱破壊」が続くことで、骨の表面が荒れ、関節のすき間が狭まり、いわゆる変形性膝関節症へと進行してしまいます。
だからこそ、「痛みを我慢して動き続ける」「温めて血流を良くしようとする」などは、
炎症期にはかえって悪化を招く場合があるのです。
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当院の考え方:まずは“熱を奪う”こと
当院では、膝に水が溜まっている・熱を持っている場合、
最優先で行うのは**アイシング(氷水での冷却)**です。
炎症を落ち着かせるには、まず熱をしっかりと処理する必要があります。
氷水を使うことで、膝内部の熱を安全に奪い、関節の中の環境を整えることができます。
熱が下がれば、体が自ら出していた水は自然に吸収されていきます。
水を抜くのではなく、“体が熱を処理できる状態”に導くこと。
これが、膝の水を繰り返さないための第一歩です。
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骨盤の動きが“熱”の根本をつくる
では、なぜ炎症や熱が起こるのか。
その答えは「膝の使い方」、そして「骨盤の働き」にあります。
骨盤は体の中心であり、全身のバランスを取る“人体最大のバランサー”。
骨盤の動きが悪くなると、股関節や膝ざ代わりにバランスを取ろうとして過剰に働きます。
この“代償動作”が続くと、膝の関節面に異常な摩擦が生まれ、熱が発生します。
当院では、膝だけでなく骨盤や股関節の動きを整えることで、
膝に余計な負担がかからない状態=熱が発生しにくい身体の使い方を取り戻していきます。
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正しい歩行が「関節を守る」
炎症が落ち着いたあとは、歩くことがとても重要です。
人の関節内には「関節液」があり、その滑りはアイススケートリンクの約10倍とも言われます。
正しい歩行によってこの関節液が循環し、関節を潤滑・保護してくれます。
ただし、痛みを我慢して歩くのではなく、骨盤から整えて「正しい歩行のフォーム」で行うことが大切です。
当院では、施術後に再発を防ぐための歩行指導も行い、
正しい歩容を身につけていただいています。
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まとめ:熱を抜けば、膝は変わる
膝の水を抜くのではなく、
熱を抜く——これが根本的な改善の考え方です。
膝の中に熱が内在したまま動き続けると、
軟骨や骨が熱によって変性し、やがて変形性関節症へと進行してしまいます。
水は悪者ではなく、身体が自分を守っているサインです。
まずは熱を鎮め、骨盤のバランスを整え、正しく歩ける身体を取り戻すこと。
それが再発しない健康な膝をつくる最善の道です。
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兵庫県神戸市長田区神楽町・JR新長田駅、地下鉄新長田駅周辺で
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