「肩が凝ったからマッサージを受けよう」──そう考える方は多いと思います。
しかし実は、その考え方こそが「肩こりを繰り返す原因」になっていることをご存じでしょうか。
マッサージを受けると一時的に筋肉がゆるみ、スッキリしたように感じます。ところが、繰り返し強い刺激を与えることで筋肉の繊維は少しずつ傷つき、修復の過程で瘢痕化(はんこんか)して硬くなっていきます。すると以前よりコリやすくなり、さらに強い刺激を求める──。この悪循環が「マッサージ依存」の正体です。
たとえば、神輿を担ぐ人の肩にできる「神輿ダコ」。これは、同じ場所に長時間の圧力が加わることで皮膚や筋肉が固くなり、コブのように盛り上がる現象です。マッサージによる過剰刺激は、これと似た状態を筋肉の内部に作り出してしまうのです。
また、首や肩の筋肉を強く揉みほぐすことは非常に危険です。首には脳に血液を送る重要な血管や神経が集まっており、過度な圧迫は副交感神経の働きを乱します。副交感神経は、呼吸や血流、内臓の働きを調整する重要な神経です。ここに異常が起こると、自律神経のバランスが崩れ、頭痛・めまい・倦怠感などの症状を引き起こすこともあります。
特に僧帽筋という筋肉は、頭から血液を下におろすポンプのような役割をしています。そこが固まると頭に熱がこもり、頭痛やのぼせ、集中力の低下といったトラブルを招きます。つまり、「気持ちよさ」だけを求めて首や肩を揉む行為は、根本的な改善どころか逆効果になる場合があるのです。
当院では、症状に対してただ揉む・押すという対応は行いません。
大切なのは「なぜその痛みやコリが起きたのか」を一緒に考えることです。痛みは体からのサインであり、原因を見つめ直すことこそが本当の改善につながります。
現代は情報があふれていますが、その中で本当に自分の体を守るためには「考える習慣」を持つことが大切です。受け身ではなく、自分の身体に興味を持ち、なぜ今この状態なのかを理解すること。それが再発しない身体づくりの第一歩になります。
また、体の不調は首や肩だけでなく、骨盤の歪みなど全身のバランスにも関係しています。骨盤は上半身と下半身をつなぐ“身体の土台”。長時間の座り姿勢などで骨盤周囲の筋肉が硬くなると、背骨の弯曲や肩の高さ、首の位置にまで影響し、結果として慢性的なコリや痛みを引き起こします。
そして、座る時間が長いということは「歩く時間が減る」ということでもあります。
人は二足歩行をするように進化しており、「動きながら安定を保つ」ように設計されています。歩くことで骨盤や背骨が本来のリズムを取り戻し、筋肉も自然に働くようになります。
だからこそ、当院ではマッサージではなく「体が正しく動けるように整える」ことを目的としています。
原因を理解し、自分の身体を見直す。その積み重ねが、痛みのない健康な状態を取り戻す一番の近道なのです。
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